深川神社

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陶彦社創建200年記念 御物作陶~インスタレーション・空間的芸術~

2024年12月07日

第63回せと陶祖まつり

陶彦社創建200年記念 御物作陶~インスタレーション・空間的芸術~

令和6年4月21日(日)に、陶祖 藤四郎(加藤四郎左衛門景正)の遺徳を偲ぶお祭りとして開催した「第63回せと陶祖まつり」において、本年は特別に「陶彦社創建200年記念御物作陶~インスタレーション・空間的芸術~」を実施し、陶祖 藤四郎の末裔となる第31世 加藤唐三郎氏が、陶彦社拝殿にて御物の作陶を行い、その後焼成して、御物「黄瀬戸線文鉢」が完成しました。

同年6月12日(水)には、陶祖 藤四郎を祀る陶彦社において、製作者の加藤唐三郎氏と大せともの祭協賛会役員・関係者らが陶祖 藤四郎の偉業を称えるとともに、感謝の意を込め陶物奉納を執り行いました。

【陶彦社】

陶彦社は、深川神社の末社として、文政7(1824)年に、瀬戸の陶祖である加藤四郎左衛門景正を祀るために創建され、現在の社殿は大正15(1926)年に建てられたものです。

本殿は一間社流造建造物で、梁間三間、桁行三間の入母屋造の拝殿と連絡する建物として幣殿が建てられています。これらの中心的な社殿は、伝統的な神社建築でありながら、蟇股や木鼻などの細部意匠に西洋の意匠を取り込み、当時京都を中心に活躍した亀岡末吉の建築意匠「亀岡式」にならったものと考えられ、斬新で洗練された建築美が特徴的であり、瀬戸市域はもとより周辺地域にも類例をみない貴重な近代和風建築です。これらの建物を取り囲んで同時期に建てられた築地塀も緑釉の織部瓦を用いたもので、本殿・拝殿の前に鎮座する2対の陶製狛犬ほかとともに指定文化財となっています。

【第31世 加藤唐三郎】

加藤唐三郎氏の祖先は、道元とともに中国の宋に渡り、陶器の製法を学び、日本に帰国後、瀬戸に窯を築いた、陶祖 藤四郎(加藤四郎左衛門景正)となります。

陶祖・藤四郎(景正)から19代の景貞の時、徳川家康公の名により赤津にて家康公並びに尾張徳川家の御用を勤めることとなり、名前をこの時に「唐三郎」と改めて、苗字帯刀を許され、年貢や諸役も免除されました。

現在の第31世 加藤唐三郎氏は、1948年に瀬戸市に生まれ、高校を卒業後に作陶活動に入り、先代の下で伝統的な技術を学び、1978年には「日本伝統工芸展」に初入選するとともに、以後も入選を重ねています。1991年に「第31世 加藤唐三郎」を襲名し、2008年には、瀬戸市無形文化財「御深井」技法で保持者に認定され、現在は日本工芸会の正会員などの役職を務めるなど、伝統工芸界では瀬戸地域を代表する作家であり、後輩の育成や陶芸文化の向上にも尽力しています。

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