瀬戸市では平成32年4月に小中一貫校「にじの丘学園」が開校する予定です。にじの丘学園に統合される7つの小学校と中学校の特色と後世にも引き継ぎたいよき伝統をお伝えしたいと思います。
深川小学校のもちつき大会
深川小学校には、地域の方といっしょにおもちをついて食べる、という行事があるそうです。深川小学校の子どもたちに、古くからある日本の伝統行事を体験させたい、という願いのもと、平成28年度から毎年この時期に行われています。
今年度も12月13日(木)、公民館やPTA役員の方々にお手伝いいただき、3回目のもちつき大会が開かれ、全校児童が楽しくおもちつきをされた様子をお聞かせいただきました。
餅つき大会に先立って、校長先生が「なぜおもちをつくのか?」という話をされました。昔から歳神様をお迎えする準備としておもちをつき、鏡もちにして床の間に飾り、一年の無病息災や家内安全、豊かな実りをお願いしてきた、というお話に、子どもたちも納得顔でした。
全学年を2グループに分け、それぞれのグループごとに2つの臼で交代しておもちをつきました。低学年の子どもたちには、大人用の杵が重すぎるので、小さな子ども用の杵でおもちをつきます。おもちの弾力に杵が跳ね返されてしまうこともあり、なかなかおもちになっていきません。 ところが高学年になると、力もうんと強くなり、大人用の杵でもしっかり振り上げ、力強くおもちつきができる子が増えてきます。こうしてみんなで協力してつきあげたおもちは、PTA役員の方々が小さくちぎって分けて、お盆にのせて教室まで運んで下さいました。教室では、ダイコンおろし、きなこ、あんこのうち好きな味付けを選び、一人3つずつくらいですが、みんなでおいしくいただきました。
昔はどの家庭でも臼と杵を備え、年末になるとおもちつきをして新年を迎える、というのが年中行事でした。しかし深川地区でも核家族化が進み、もちつきを行う家庭が減少しているようです。深川小学校の子どもたちの家庭でも、毎年もちつきをする家庭は本当に少なく、学校行事のもちつき大会が唯一の機会、という児童がほとんどです。おもちはつくものではなく、買ってくるものになってしまっているのは、少し寂しい気がします。 このままこの風習が廃れていくと、いずれもちつきが日本の無形文化遺産として登録されるようになるかもしれません。そうならないよう、学校で日本の伝統文化・行事について、しっかり教え伝えていきたいと思います。