境内の駐車場の一画にちょっと風情のある小さな紅葉のお庭ができました。
この紅葉は、同級生の家の庭に生えていた紅葉です。実は、家の解体のご祈祷に行ったとき、亡くなられたお母様が大事されていた紅葉なので、このまま処分するのは忍びないから神社で何とかもらってくれないかと言われました。 早速、造園屋さんに相談すると、境内には緑は多いが赤い葉はなく紅一点がよく映えるし、それほど大きくなる木ではないので良い、場所を良く考えて植えようということになりました。
常緑樹のクスノキの多い境内は、春、秋の落葉の季節の掃き掃除は、本当に大変です。前を向いて掃いて「よし、終わった」と思って振り返ると、掃いたはずの所がまた元の状態と同じく葉っぱだらけになっているという有様。手首も腱鞘炎になりそうだし、腰にも負担がかかるし、辛いと言えば辛いですが、それでも、樹木があるからこそ鎮守の杜、やっぱり木がなければなりません。そして、何よりも春の落ち葉が終わったこの時期は、新緑が鮮やかでとても美しく清々しい気分にしてくれます。
昨年は、境内南面の玉垣を改修する際に、玉垣沿いに生えていたけっこう大きなクスノキと老いて随分と傷んでいたサクラを全て取り除きました。伐採ではなく、抜根です。神社を彩ってくれていた木々の生命を絶つことに非常に心が痛みましたが、工事のときに目の当たりした木の根の力は凄まじく、長年の間に玉垣や石垣を持ち上げ、破壊していくことを考えると、せっかく改修工事をするのだったら将来のことを考え思い切きったほうがよいと決断しました。
サクラがなくなり淋しくなった代わりに、すっきり、整然とした玉垣が紅葉の小さな庭の存在を際立たせる背景となっています。