第63回文化財防火デー消防訓練
『平成29年1月22日に文化財防火デー消防訓練が深川神社で行われた。文化財防火デーは昭和24年1月26日に、法隆寺金堂が炎上し、仏教絵画の代表作品ともいえる壁画が焼損したことから、文化財防炎推進のため、毎年1月26日を「文化財防火デー」と定め、文化財所有者などの協力のもと、消防訓練を行っています』と文化庁・消防庁の案内に記載されています。
毎年場所を変えてこの訓練が行われている。私自身が立ち会うのは二回目である。今回は午前9時に境内から発火を想定し、火災発見、参拝者などの避難誘導訓練、境内地にある瀬戸パークホテルへの情報伝達訓練・通報訓練、文化財搬出訓練、初期消火訓練、消防署、消防団の消火訓練が行われた。
あってはならない火災であるが、先日の新潟県糸魚川市の大火災も記憶に生々しい。火事は人災ともいえる災害である。昨年八月のポケモンGOの配信以来不特定多数の人が特に夜間に出入りし、禁煙表示があるにもかかわらず朝の境内はタバコの吸い殻が多いのは本当に心配の種である。
未然に防ぎ、万一の場合は人命救助はもちろん最優先のことだが、文化財保有者は貴重な宝を守る義務がある。正直なところこの訓練では模擬の文化財を搬出するだけであるので、実際には、国の重要文化財「陶製狛犬」は壊れやすく触りたくないし、瀬戸市指定文化財の「梵鐘」並びに「本殿」は、火事場の馬鹿力という言葉はあるが、どうやっても持ち出すことは不可能である。
一般市民の方にも文化財に対する愛護の気持ちを持っていただき、私たちみんなの財産であることをご理解いただくこと、そして、多くの人の目で見守ることが最も大切な日常の防火活動となりうると思う。
訓練では消防隊員・消防団員の皆さんのきびきびとした動きに感動した。市民の為に不測の事態に備え日頃から絶え間ぬ訓練をされている消防署職員、消防分団員の皆さんに感謝の意を表したい。